三宅陶器について

日本最大の陶器生産地の土岐市で陶器商として70年。大手飲食店のブランド食器から個人客が日々使う食器の販売まで、三宅陶器ではお客様の求めるうつわを細部までこだわって制作し続けてきました。土岐市美濃焼を皆様のもとへ。より良いデザイン・品質を求め、更に前に進みます。

陶磁器食器生産量日本一のまちに生まれて

弊社のある岐阜県土岐市は日本の陶磁器生産量の3割以上を占める日本一のやきものの町です。近隣の多治見市や瑞浪市も含めるとこの地域で生産される陶磁器食器は全体の半分近くを占めるというデータもあります。

「市内を流れる土岐川の水が濁っている(*注1)ほど、景気が良い」と言われた高度経済成長期を経て、今ではご家庭や飲食店で美濃焼(*注2)を見ない日はないと言っても過言ではありません。陶器梱包用の段ボールで遊んだり、石膏のかけらで道路に絵をかいて遊んだ私たちにとって、やきものは最も身近な存在であり、地元の誇りでもあります。

(注1) 昔は陶器に使う釉薬の廃液が不十分で川の水が濁っていました。今は各メーカーによって適切に管理されており、川魚の泳ぐ綺麗な川となっています。

(注2) 岐阜県美濃地方(主に多治見市、土岐市、瑞浪市)で生産されるやきものを美濃焼と呼びます。

安心・安全な食器を第一に

真っ白なうつわから職人の手描きによる色鮮やかなうつわまで、美濃焼は多種多様な商品があることがその魅力のひとつです。一方で、うつわは食べ物に触れるものですから、安心・安全であることが最も大切なことです。食器に関する厚生労働省の規制としては、釉薬や絵付絵具に含まれる鉛・カドミウムが食品に溶け出す数値規制があります。

弊社では各工場と情報を共有し、釉薬や絵具の無鉛化を進めると共に、業界内でもいち早くイングレーズ焼成窯を導入し、安心・安全なうつわの生産と販売に努めております。完成した商品は定期的に市の検査機関において鉛・カドミウムの溶出試験を受ける他、海外のお客様にも安心していただけるよう、ISO基準での検査要求にも応じられる体制を取っております。

日本独自の超分業体制

やきものはどのように作られているのか、と問われると、「大きな工場で粘土をこねるところから完成まで一貫して生産している」と思われる方がほとんどだと思いますが、美濃焼は世界に稀にみる超分業体制を確立しています。つまり、粘土の原料を山から採掘する会社、粘土を精錬し成形しやすくする会社、粘土を形作るための石膏型を作る会社、石膏型を作って素焼きを作る会社、陶器に色や保護を付けるための釉薬を作る会社、素焼きに釉薬をかけて商品を完成させる会社、さらに絵付けをして装飾を追加する会社、転写と呼ばれる絵付けシールを生産する会社、そして出来上がった商品を検品し、梱包・出荷、お客様にお届けする会社、と各工程で専門性を持って取り組んでいます。

出来上がる商品は1つですが、そこには各工程に携わる職人の想いが込められております。このバトンリレーが多種多様な美濃焼を作り出せる理由なのです。

世界に拡がる日本食の魅力

寿司をはじめとして、天ぷらやラーメンなど、海外における日本食の人気は単なるブームを過ぎて、日常の食生活のひとつとして定着した感があります。20年前にアメリカに滞在した時は、日本食レストランは現地在住の日本人向けという感じでしたが、当時からは想像もできない時代となりました。飲食店で食べるだけでなく、自宅やパーティでも寿司を作りたい、と考える方が増える中で、やはり日本食には日本の食器という感覚なのか、海外への出荷量も年々増えております。

コロナ禍において外出制限がある中で、美しく品質の高い日本のうつわをプレゼントとして選ぶ方も多いようです。「うつわは料理のきもの」とは北大路魯山人先生の言葉ですが、世界で人気の日本食とそれを彩る日本の器の魅力をこれからもやきもの日本一の産地から発信してまいります。

社史

1948年 (昭和23年)株式会社マルエイ商店設立。
1961年 (昭和36年)三宅栄三が陶磁器輸出商社(株)マルエイ商店より独立し、マルエイ分店三宅栄三商店を土岐市駄知町に設立。国内取引を中心に営業を始める。
1976年 (昭和51年)三宅陶器株式会社を設立し、屋号を「分天窯」と称する。
1977年 (昭和52年)営業部を土岐美濃焼卸団地に移転する。
1989年 (平成元年)遠赤外線ローラーハースキルンを本社工場に完成させ、電熱窯によるイングレーズ絵付けを始める。
1993年 (平成5年)三宅新太郎が社長に就任。
2002年 (平成14年)海外営業部を設立し、輸出取引を拡大する。
2018年 (平成30年)三宅聖二が社長に就任。本社を土岐市泉北山町8-1に移転登記する。

ショールームで取扱商品をご購入前に、ご覧になりたい場合は、事前にご連絡ください。突然の訪問には対応出来ない場合がございますので、ご了承ください。

三宅陶器株式会社
〒509-5171
岐阜県土岐市泉北山町8-1