こんにちは、えりです。
前回は、美濃焼の“はじまり”ともいえる「土」のお話をしました。
今回はそのつづきとして、土がどうやって“器のかたち”になっていくのか、少しだけご紹介してみたいと思います。
やきものは、まず土を練るところからはじまります。
水を含ませて、空気を抜いて、手のひらでこねながら、なめらかな質感に整えていきます。
この段階で、土はまだとてもやわらかくて、生きものみたいに気まぐれです。
その土を、ろくろにのせて回したり、型に入れたりして、器のかたちを作っていきます。
これが「成形」と呼ばれる工程。
見ていると、まるで土が人の手に導かれるように、少しずつ器になっていくのがわかります。
でも、かたちができたからといって、すぐに焼くことはできません。
風通しのよい場所でゆっくりと乾かして、土の中の水分が抜けたところで、まずは「素焼き」をします。
ここでようやく、土はほんの少しだけ器らしくなります。
そのあと、釉薬(ゆうやく)とよばれる液体を器にかけていきます。
とろりとした釉薬をまとった器は、この時点ではまだ少し地味で、仕上がりが想像しづらいのですが、
ここから「本焼き」という高温の焼成を経て、はじめて色や質感が現れてきます。
美濃焼のような陶器は、1200度を超える熱のなかでしっかり焼き締まり、
ようやく“使える器”としての強さと表情を手に入れるのです。
土からはじまったその器が、職人の手を何度もくぐり抜けて、ようやく食卓に並ぶ。
そしてそれが、また誰かの手に渡って、日々の暮らしの中で使われていく。
そう思うと、器って、ただの“モノ”じゃないなあと感じるのです。
そうそう、土岐市にある「道の駅 どんぶり会館」では、ろくろを使った陶芸体験ができるんですよ。
東京や海外から友だちが遊びに来たとき、「やってみたい!」って言われて、よく一緒に行きます。
私も何回かやったことがあって、くるくる回るろくろに土をのせて、器のかたちになっていくあの感じ、すごく楽しいんです。
なんだか夢中になっちゃうんですよね。