こんにちは、えりです。
焼き物と聞くと、形や釉薬、完成した器の美しさを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも今回は、そのもっと手前にある、大切な「土」のお話をしたいと思います。
岐阜県・東濃地方でつくられる美濃焼は、1300年以上もの歴史があります。
そして、それがこの土地で発展した大きな理由のひとつが、「良い土に恵まれていたこと」なんです。
なかでも土岐市の「五斗蒔(ごとまき)」というエリアでは、古くから陶磁器に理想的な粘土が採れてきました。
この粘土はきめが細かく、高い可塑性(かそせい)があり、成形しやすくて変形しにくく、しかも焼きあがると丈夫。
釉薬との相性もよく、器づくりの土としてはまさに理想的といわれています。
今も多くの美濃焼の窯元で、この五斗蒔の土が使われています。
つまり、美濃焼の根っこには、ずっと変わらない「この土地の力」があるということなんです。
時代が変わっても、美濃焼は少しずつ進化しながら、今も世界中の人々に使われています。
でも、その“はじまり”には、いつも変わらずこの土地の土があります。
デザインでも、伝統でもなく。
土と、人とのつながりこそが、美濃焼のいちばんの魅力かもしれません。